「COBOL案件ってどの程度あるの?」「COBOLしか使えないがもう廃れてしまった?」と悩んでいませんか?
エンジニアの中では「時代遅れ」と言われてしまうケースもあるCOBOLですが、フリーランスとして活躍できる案件はどの程度あるのでしょうか。
本記事では、COBOLの将来性やフリーランス案件の現状、案件獲得に向けたステップなどを細かく解説していきます。
案件探しにおすすめなフリーランスエージェントも紹介していくので、ぜひ参考にしてくださいね。
COBOLは廃れてしまったと言われる理由
「廃れてしまった」という認識が広がりつつあるCOBOLですが、廃れたと言われる理由を3つに分けて解説していきます。
COBOLは新しい技術トレンドに直接対応していないから
COBOLは1959年に事務処理用として開発されたプログラミング言語で、すでに70年近くの歴史を持ちます。
数十年の間にさらに拡張性を持つ新しい言語が開発され、現在ではCOBOLでの開発案件は減ってきているのが現状です。
特に、近年ではAIの台頭によってPythonなど他言語への需要が増え、よりCOBOLへの注目度は下がっています。
しかし、長年稼働する基幹システムにCOBOLが使われているケースは少なからずあり、改修案件などは今でも掲載されています。
COBOLを扱える技術者が高齢化し後継者が減っているから
2019年には基本情報技術者試験からCOBOLが削除されるなど、若年層がCOBOLを学習する機会がどんどん少なくなっています。
COBOLはレガシーシステムの改修や運用保守にしか使われなくなってきており、将来的にはさらに規模が縮小していくでしょう。
レガシーシステムを開発した当時の技術者は現在50代〜60代と高齢化が進んでおり、後継者不足の状況は否めません。
反面、50代以上でもCOBOLの技術力をしっかりアピールできれば、案件を受けられる可能性は高いでしょう。
COBOL以外の言語も発展してきているから
COBOLは以下のように様々なデメリットがあり、現在の開発環境にはそぐわないといわれるケースも。
- 基本的にはメインフレームでの稼働に限られる
- ベンダーごとに文字コードの方式が異なる
現在では、COBOLの弱点を克服したJavaなどの言語が基幹システムの構築に使用されており、COBOLの需要は右肩下がりの状態です。
COBOLをメインで扱ってきたとしても、Javaなどの別言語も学んでおかないと、今後数十年のエンジニア人生を生き残れないでしょう。
COBOLフリーランスの需要や将来性を解説
COBOLフリーランスの需要や将来性を、以下3項目に分解して解説していきます。
COBOLフリーランスエンジニアの案件数
大手フリーランスエージェント「レバテックフリーランス」で、COBOLのフリーランス案件と他言語の案件数を比較してみましょう。
開発言語 | 案件数 |
---|---|
COBOL | 1,250件 |
Java | 16,996件 |
Python | 5,625件 |
C# | 5,771件 |
(2024年11月現在)
近年トレンドになっている開発言語に比べると、案件数は5分の1以下と非常に少ないのがわかります。
COBOLを使ったレガシーシステムからの更改は進んでおり、今後さらに案件数は減っていくと予測されます。
銀行や老舗中小企業ならレガシーシステムを使い続ける場合もありますが、やはり別言語も扱える技術者を目指す必要があるでしょう。
COBOLフリーランスエンジニアの将来性
COBOLを使ったシステムは減少傾向にありますが、実はCOBOLフリーランスエンジニアの未来は真っ暗というわけではありません。
確かにCOBOLの新規開発案件は現状では少なく、改修案件もシステムの刷新により減少傾向にあります。
ただし、COBOL現役世代である50代〜60代エンジニアの引退も進んでおり、技術者はより速いペースで減っています。
市場は縮小しつつも売り手市場が続いているので、他言語よりも案件獲得の難易度が高いわけではないでしょう。
COBOLフリーランスエンジニアの年齢層
COBOLが全盛期だったのは1980年代で、当時20代〜30代だったエンジニアが市場の中心を担っています。
彼らは「終身雇用制度」の元で企業勤めをするのが当然という時代に生きていたため、フリーランスを目指す人は多くありません。
従って、同じ50代以上をライバルとして見るとフリーランス人口は案外少なく、自由に案件を選びやすい状態なのです。
50代からのフリーランス転身は精神的にハードな側面もありますが、すぐに仕事にありつける可能性は高いでしょう。
COBOLフリーランスの案件単価&年収
COBOLエンジニアの平均年収を比較し、どちらが自身の生活スタイルに合っているかみていきましょう。
COBOLフリーランスエンジニアの平均年収
COBOLフリーランスエンジニアの平均月額単価は51.6万円で、年収換算すると619.2万円となります。
引用元:フリーランススタート
フリーランス全体の平均年収が300万円以下ともいわれているので、平均値より大きく情報乖離しているのがわかります。
保守運用だけで月額50万円程度の案件もあるので、中には複数の保守案件を請け負って100万円以上を稼ぎだすエンジニアも。
働き方次第でいくらでも年収を挙げられるのがフリーランスの魅力なので、チャレンジする価値は大いにあるでしょう。
COBOL正社員フリーランスの平均年収
COBOL正社員フリーランスの平均年収は400万円〜500万円程度といわれており、フリーランスエンジニアよりは見劣りする印象です。
もちろん管理職に就けばより高い収入を望めますが、年功序列が根強い日本ですぐに年収を上げるのは難しいでしょう。
また、正社員は簡単な案件であっても必ず8時間程度は拘束されてしまうので、副業は夜間や土日になり体力面で厳しい側面も。
大きく稼ぎたいと考えている人は、フリーランスとして効率的な稼ぎ方を目指すのがおすすめです。
【50代でも獲得できる!】COBOLのフリーランス案件例4選
50代でも案件を獲得できる、COBOLのフリーランスエンジニア向け案件を4つ紹介していきます。
行政向けのシステム開発案件
引用元:レバテックフリーランス
行政や銀行などの団体は、現在でもCOBOLを中心とした基幹システムを使用しているケースが多く見られます。
一般企業よりも機密情報を扱っているので、簡単にシステム改修できないという点が理由に挙げられます。
本案件では、COBOLでカスタマイズしたシステムの導入なので、要件定義から保守運用までを一貫して行う内容です。
官公庁を相手にした案件は強いアピールポイントになるので、経験を積む意味でもおすすめな案件ですよ。
製造業向け物流システム開発案件
引用元:レバテックフリーランス
製造業向けの物流システム更改案件で、プロジェクトマネージャーとしての参画となります。
COBOLフリーランス案件の平均単価は51.6万円ですが、管理職を任されるだけあって75万円と高額。
ただし、プロジェクトマネージャーやデータ分析、物流システムの経験など、幅広い実績が求められるのも特徴です。
高単価な案件は求められるスキルのレベルも高いので、十分な経験を積んでからチャレンジしたいですね。
バッチの老朽化更新作業
引用元:レバテックフリーランス
COBOL案件の中でも多いジャンルである、老朽化したバッチやシステムを更新する作業です。
基本設計からテストまでを通して行う案件で、単価は月60万円と非常に高額です。
基幹システムに関わる作業は更新であっても数日で終わるわけではなく、場合によっては半年程度続く中長期案件になるでしょう。
短期案件ばかりを受けていると案件探しも非常に手間なので、できるだけ大型の案件を探しておきたいですね。
汎用機の保守運用案件
引用元:レバテックフリーランス
富士通製汎用機の補修・運用を行う案件で、ドキュメントが揃っていない状態での作業となります。
汎用機に関する知識や経験が必要なほか、インシデント発生時の迅速な対応力も求められる種別の案件です。
ただし、設計や構築ほどの高い技術力がなくても案件を受注できるケースもあり、契約難易度は低いといえるでしょう。
汎用機を開発していたエンジニアなら、一度応募してみる価値のある案件ですね。
COBOLのフリーランス向け案件を効率的に獲得する方法
COBOLのフリーランス向け案件を効率的に獲得するなら、以下の方法を試してみてください。
知人や友人から案件の紹介を受ける
知人や友人の企業で汎用機を使用している会社があるのであれば、案件を受注できる可能性もあるでしょう。
例えば、多くの中小企業は汎用機を保守なしで利用していたり、新しい業務範囲に関しては紙で管理していたり、綱渡りの運用が行われています。
営業力が求められますが、現状の危険性を理解してもらい保守運用などの案件を受注できれば、長期的な収入を期待できる可能性もあります。
SNSで募集中の案件に応募する
XなどのSNSでは、COBOL技術者を募集する投稿も多く見られます。
随時募集でCOBOL要員探してます(貴社まで、支援費可)
弊社社員と某生保様向け請求関連の保守対応が可能な方、50代前半まででいらっしゃったらご紹介頂きたいです。
現場‐弊社の商流で安定稼働の案件です。— わたなべ@SES営業 (@TS_WC_03) October 4, 2024
DMで発注者と直接やりとりできるので、詳細な条件のヒアリングや単価交渉をしやすいのはメリットです。
ただし、SNS上だけの口約束で案件を進めてしまうと、後からトラブルになってしまう可能性もあるため、必ず書面での契約書を交わしましょう。
フリーランスは会社に守られる立場ではないので、必ず自分自身で未然のトラブル回避を行いたいですね。
クラウドソーシングを利用する
クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングを活用し、案件を獲得するのもおすすめな手段の一つ。
副業レベルで受注できる案件も多く掲載されているので、フリーランスになる前段階の準備としても最適です。
ただし、クラウドソーシングには高単価な案件が少なく、サービス側が受け取る中間マージンが多いのも事実。
クラウドソーシングは経験を積むためのツールとして活用し、経験を積んでからはフリーランスエージェントを活用しましょう。
フリーランスエージェントを利用する
高単価案件が最も多く、掲載されている案件数も最も多いのがフリーランスエージェントです。
エンジニアとしてのスキルや希望条件を登録するだけで、担当者が自身に合う案件を探してくてくれます。
さらに、エージェントによっては単価交渉や案件参画後のフォローまで徹底してくれるので、安心して働きたい人にもおすすめです。
本業が忙しくて案件を探す余裕がない人は、全てお任せで参画までスムーズに進めるのは大きなメリットですね。
【ブランク有りOK】COBOLのフリーランス案件を獲得できるフリーランスエージェント5選
COBOLのフリーランス案件をスムーズに獲得できるおすすめのフリーランスエージェントを、5つ紹介していきます。
1位:テックストック
運営会社 | INTLOOP株式会社 |
---|---|
公開案件数 | 8,218件 |
公開リモート案件数 | 1,587件 |
未経験 | △ |
高単価案件 | ◎ |
(2024年11月現在)
利用者の平均年収は935万円と高単価な案件が揃っているエージェントで、7割以上の案件がリモートで請け負えるのも特徴です。
公開案件だけで8,000件以上が掲載されており、加えて非公開案件も数多く用意されています。
IT業界に精通した担当者がぴったりな案件を提案してくれるので、初心者からベテランまで多くのユーザーに愛されています。
会員限定の福利厚生サービス「fukurint」によって、安心して業務に集中できるのもメリットでしょう。

テックストックの口コミ
tech stockあたりにレジメ登録しておけばエージェントから非公開案件を紹介してきますよ
開発PLクラスなら90万くらいのものあるはずですわ— ヤマカガシ (@smboysmgirl) May 10, 2024
2位:レバテックフリーランス
運営会社 | レバテック株式会社 |
---|---|
公開案件数 | 89,652件 |
公開リモート案件数 | 42,157件 |
未経験 | ◯ |
高単価案件 | ◎ |
(2024年11月現在)
登録から最短1日以内で提案を受けられる、スピーディーなサポート体制が強みの大手フリーランスエージェントです。
公開案件数だけで約9万件が掲載されており、非公開案件を含めると10万件を超えるのが特徴です。
案件参画後のサポート体制も充実しており、途中での案件離脱率は低いうえに次回案件の提案も迅速です。
幅広い案件から自分に合った仕事を探したい人は、ぜひレバテックフリーランスに登録してみてください。

レバテックフリーランスの口コミ
レバテックフリーランスの月収見て頑張ろうって思った
— ナック (@NACK_poker) April 10, 2024
3位:テクフリ
運営会社 | 株式会社アイデンティティー |
---|---|
公開案件数 | 19,350件 |
公開リモート案件数 | 11,299件 |
未経験 | △ |
高単価案件 | ◎ |
(2024年11月現在)
「フリーランスにおすすめの案件紹介サービス」でNo.1を獲得した、確かな実績を持つエージェントです。
マージン率が10%の案件も保有しており、他社の一般的な20%程度のマージンに比べて手取りを多く受け取れるのはメリットです。
コーディネーターの対応満足度は100%と、案件を獲得した全てのワーカーが対応に満足しているのも強みでしょう。
大手金融機関や航空会社とも契約があり、超大型案件を受注するチャンスがあるので、キャリアアップにも最適ですよ。
テクフリの口コミ
案件数が非常に多いので、わがままな私の要望にもしっかり答えてくれました。
条件が多かったので契約成立までには時間がかかりましたが、親身に動いてくれた担当者様には感謝しています。
4位:エンジニアファクトリー
運営会社 | アイムファクトリー株式会社 |
---|---|
公開案件数 | 7,205件 |
公開リモート案件数 | 3,030件 |
未経験 | △ |
高単価案件 | ◎ |
(2024年11月現在)
1,700社以上の企業との契約をしているフリーランスエージェントで、24時間以内の案件受注も可能なのが特徴です。
1人の利用者あたり平均8.4件の案件提案をしてくれるので、希望条件を叶えやすいのも嬉しいですね。
正社員時代に比べて年収が300万円以上アップしたワーカーもおり、高収入を叶えやすいのもメリット。
ホームページでは担当者が一覧掲載されているので、利用前に一度確認してみるのもおすすめです。
エンジニアファクトリーの口コミ
非常に親切なアドバイザーが担当してくれました!
フリーランスとして駆け出しだった自分に対して、これからキャリアを積み上げていくには何をすればいいか、詳しく教えてくださいました。
継続案件もエンジニアファクトリーにお願いしようと思います!
5位:ROSCA freelance
運営会社 | ROSCA株式会社 |
---|---|
公開案件数 | 881件 |
公開リモート案件数 | 792件 |
未経験 | △ |
高単価案件 | ◎ |
(2024年11月現在)
全案件のマージンが一律15万円に設定されており、手取りを多く残せるのが魅力のエージェントです。
他社ではマージンが非公開の案件も多い中、全案件のマージンがはっきりしているのは大きなメリットでしょう。
90%以上の利用者が1ヶ月以上の案件継続を達成しており、継続提案もスムーズなので収入が途絶えにくいのも強み。
「フリーランスになりたい」というだけでも気軽に無料で相談が可能なので、ぜひ登録してみてくださいね。
ROSCA freelanceの口コミ
ただひたすらに案件を紹介してくるのではなく、エンジニアとしてどのようなキャリアを積んでいきたいかといったところから親身になって話を聞いてくれました。
とても頼りになる存在という印象でした。
引用元:note
COBOLのフリーランス案件を獲得して稼ぐためのコツ
COBOLのフリーランス案件を獲得して高額の報酬を得るには、以下のコツを覚えておきましょう。
サーバー系の知識やスキルを身につける
COBOLは主に基幹システムの開発や改修で使用される言語のため、システムを作動させるサーバーとも密接な関係があります。
サーバー系の知識を身に付けておけば、システムの内部開発だけでなく実装まで請け負えるようになるので、高単価案件も受けやすくなるでしょう。
特に、運用保守だけでは大がかりな作業を必要としないため、リプレース案件とは月額数十万円程度の違いが出る可能性も。
案件受注後に慌てずに済むよう、事前のスキル習得が大切です。
C言語など関連言語も扱えるようにする
COBOLの案件は全体的に減少傾向にあるため、将来性を鑑みて関連する言語を学習しておくのがおすすめです。
例えば、COBOLで設計された基幹システムはJavaを用いて更改されるケースが多いため、スキルを習得しておきましょう。
他にも、C言語系も使い道が広く受注できる案件の幅を大幅に広げられるので、かなり有効でしょう。
クライアントの要求を的確に把握する
どんな案件を受ける際も、クライアントの要求を的確に把握するコミュニケーション能力が必要です。
特に、クライアントからの指示を勘違いしたまま作業を進めてしまうと、終盤で大きな修正が発生する可能性も。
案件進行のペースが遅くなるとプロジェクト全体が停滞してしまい、場合によっては契約が途中で終了してしまうかもしれません。
仕事に関してはコミュニケーションが最も重要なので、常に意識しながら案件に取り組みたいですね。
積極的に上流工程の案件に挑戦する
エンジニア向けの案件では、現場に立ってプログラミングを行うよりも、要件定義やマネージャーの方が単価が高くなります。
経験がない状態では上流工程案件の受注は難しいですが、フリーランスとして経験を積みながら受注を目指しましょう。
案件全体を管理する立場になれば、月額100万円以上の案件を受注できるようになるでしょう。
起業を目標としている人も管理業務の経験があるとスムーズなので、ぜひ上流工程案件を目指してみてください。
COBOLのフリーランス案件は多数!エージェントを活用して効率的に案件を獲得しよう
COBOLは「時代遅れ」といわれてしまう言語の1つですが、すぐに案件が全くなくなるわけではありません。
むしろ、技術者の高齢化によってライバルが減少傾向にあるので、案件獲得においては好条件です。
本記事で紹介しているフリーランスエージェントを活用すれば、スキルレベルに合った案件を受注しやすくなりますよ。
経験を積んで上流工程の案件を受注すれば月額100万円以上を稼ぐのも夢ではないので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。